旧友、そして戦友との再会。

旧友、そして戦友との再会。

20代の時、当時勤めていた銀座クラブ。当時はまだコッテコテの銀座スタイル真っ盛りだったので。ホステス同士、本当に仲良くなるとかありえない世界。足の引っ張り合い潰し合い、ドロドロ通り越した強い者が生き残れる世界。

ところが当時その店で、「鈴子(レイコと読む)・美樹・桜(私)・夏樹」という奇跡の4人組が生まれたわけで。

↑「当時27歳?の私。仮装パーティーでチマチョゴリ着たやつ。若いのぅ。」
↑「白塗りのおれいこさんと壺振りおりゅうの私。いつかの仮装パーティー。これは彼女の許可もらってた写真なので顔だし。」

ケンカもするしぶつかるけど、ずっと一緒。

お客様のアフターしかり、多いと1ヶ月に1回ペースで皆で休みの日に熱海温泉行っては、大騒ぎ。

豪快な酒飲みの集まり。

すぐ脱ぐ人、暴走する人、皆美人なのに中身男以上の暴君の集まり。でも実は皆努力家で仕事がシビアな分、その努力も陰でしてるのに微塵もみせないで、お客様の前では徹底的にサービスに努める。で、酔うと壊れる。笑

それをお客様も楽しみにしてるとこもあって、アフターへ誘う。

とにかく彼女は美人で。皆もイイ女の集まり。が、酔って暴走してくれるんだから、そりゃ楽しい。そして4人のキャラが全くかぶってないから4種の暴走が楽しめる。謎

私は皆から「チェリー」と呼ばれていて、私はレイコを、れいちゃんとか、おれいこさん、とか呼んでた。

彼女には勝てなかった。頑張っても頑張っても私は彼女の前では2番だった。(その店のママ除いての話しだけど)

嫌いになったり恨んだことも付き合いの中であったけど、私の今年50年になる人生の中で、一番あちこち2人で旅行したし海外も行ったし、ケンカもしたけど、そんな女友達は彼女しかいない。

何でも一番の彼女。天真爛漫で自由で皆に迷惑かけまくるけど、実は勤勉で心配しいで、優しくて強くて、でも弱くて。それをあからさまに見せない。

売り上げも1番、結婚も1番、出産も1番。
突然結婚しますと始まって結婚して神戸へ。
実は当時の私達、本当に特異な絆で、なんていうかお互い誰とつきあってるとか彼氏がとか本人が言わなきゃ全く興味無くふれず。だから、おれいこさんやミキちゃんが結婚したときも、誰と?ってなる。笑

本当にお互いただの引きつけられた人間同士として一緒にいた感じ。今から思えばこの時、生涯の友と出会っていたわけだ。

その後おれいこさんとは、お互い銀座を離れても年賀状のやりとりとかあったけど、私も色々あったりして、結婚して名前変わったりその後別居したりで彼女と疎遠に。

ところがあるとき、おれいこさんがFacebook使って私を見つけ出してくれた。旧姓入れといたからそこから探し当てたらしい。そして当時の仲間を繋いだおれいこさん。

そこからまた年賀状のやりとりや、2年前にはコロナウイルスもあるし神戸と東京だして、LINE使ってオンラインさし呑みで再会。

まーいろんな話ししたよね。そもそも私が、格闘技だのプロレスラーだの、皆、はあああああ?なわけで。その経緯の説明で理解してもらうのがほぼ大半の時間の使い方。爆

あー、チェリーの謎が解明されてスッキリした!とか言われたし。笑

ただ、今から思うと約10年前?前後?あの時おれいこさんが皆を探して繋いだには理由があったわけだ、と思う。最初の食道癌が発覚し、色々考えたり万が一の覚悟したりとか、そういう時期だったのだろう。。

映像でも話しながら飲んでたら昨日まであってたかのような感覚で。本当の仲間や友って、ずっと会えなくても、ちゃんとこうしてこうなるんだなって、なんか上手く言えないけどそういうヤツ。

そして去年、喪中だから年賀状いらんよって連絡があり、今年は「今年から年賀状やめるからよろしく」ってきた。

年賀状やめる?あんだけそういう事大切にする彼女。
正直胸の奥底で、なんていうかザワザワするものを感じた。

彼女の飲酒暴君伝説はハンパなくて。
色々書きたいけど凄すぎてここには書けない。ガチで。笑

そしておれいこさんは、れいちゃんは。
売り上げも1番、結婚も1番、出産も1番、皆離婚してるのに離婚せずしっかり連れ添い、そしてやっぱり1番に、

……….空の彼方へ旅立っていった。

2022年4月16日、正確には自宅で看取った旦那様によると、13時20分(1時20分)1月20日生まれのれいちゃんの誕生日時刻に、闘って闘って最後まで闘って、もういいよね?って旅だっていった。

55年の人生だったけど、あんたって。55年で200年分位、駆け抜けてったよな。笑

どうしても49日前に会いたくて、5月8日母の日の日曜日。飛行機で弾丸神戸へ。飛行機なんて約20うん十年ぶりで、たぶんNYから帰ってきた国際線以来。違うか。カポエイラでブラジルから帰ってきた以来だな。当時まだブラジル航空がギリあって、帰国時ブラジル航空がなくなってて。爆 このオープンチケットどうすんのーってなったな、そういえば。笑

↑「初LCC。約20年ぶりの空の旅。」

始めてNYにいったのもれいちゃんと一緒だったね。今はLCCとかあって格安で往復できてすごい時代だって浦島太郎になりながら、結婚してすぐの新居に皆で押しかけた約20年ぶりに彼女の自宅へ。結婚式以来直接お会いしない旦那様が、送り迎えからなにからなにまでして下さり。

ご自身が大変なときに。感謝しかないです。

入ってすぐ、あーって記憶が蘇りふと見たら、遺骨と彼女の遺影と。もうだめだ。号泣。何日も何日も泣いたのに、いまもこうして書きながら涙止まんないけど、どんだけ涙出るんだ。泣きすぎて神戸前日と当日の私の顔は風船以上。涙

泣きながら。般若心経を唱えた。旦那様もおどろいてたけど、一番驚いたのはれいちゃんでしょ?私が泣いたとこなんてみた事ないでしょ。まさか般若心経読めるなんて思わなかったでしょ。

仏教を学んでいた彼女。まさか私が般若心経って驚いたと思うよ。ざまぁみやがれ!笑

その後旦那様とれいちゃんの暴君伝説を泣きながら爆笑しながら語り合い。こんなに人生で号泣と爆笑繰り返す1日なんてねぇよ!

そしてこの旅は間違いなく彼女に呼ばれていて、寄り添ってもらった神がかった旅。

まずは行き。前もってスカイマークで往復抑えてたんだけど、席がほぼ空いていなくて、通路側とか3人掛けの真ん中という感じ。

それが空港で行きにQRコードで無人チェックインして発券する時タッチすると同時に目に入った「席の変更」ってヤツ。えーーーーーーーーーーーーーーー!もう発券おしちまっただ、おら。涙

で、カウンターで聞いたら、スカイマーク神すぎてヤバい。「窓際空いてます!空いているので、お隣もいません!景色見えるように翼さけると後ろのお席になりますがよろしいでしょうか?右と左ご希望ございますか?」って、をぃ。神対応か!

帰りも聞いてバーコード見せたら同時に発券してくれて、「帰りも窓際ございます!が、ほぼ満席なのでお隣は座られますが変更できます!」と。満員なのに偶然1個空いてたってすごくね?で、変更。

で、神戸にて。おれいこさん宅出て、ご主人がずっと会社いけてなくてあらためて挨拶に(今回の件の)いかないとって、すごい心配してくださったんだけど、その後空港まで送ってくださるという事で。

予定していたフリータイム決行。

まずは近くの生田神社でおろしていただき、そこから開始。
正直生田神社は私の五感や内部に響かず早々に退散。そこからテクテク散歩しながら元町方面へ。で、南京町めざし、感で入った南京町に繋がる細い路地。ふと見たら、ガラスの龍の置物とかが。

店に吸い混まれた。そして小さい1000円の龍を購入。

おれいこさんが導いてくれた龍

私は龍神様にご縁があるらしいんだけど、いきなりこんな事ある!?しかも調べたら「南京町」でひっかかるような観光系にでてこないお店で、しかもレシート捨てちゃって、これ書いてる時点で場所わかるけど名前出てこない。涙

めっちゃ親切で飛行機乗るっていたら厳重に梱包してくださり。感謝しかない。

そのまま南京町のメインストリートに入ったけど、人凄くて、食べ歩く感じでもなくて往復して探索してから、移動。

メリケンパークまで超散歩。そう、メリケン波止場です。
何故ここに来たかは、なんか歩いて行けるとこで、観光ぽいとこって、ただ気の向くままにきたけど、あとでご主人から、無農薬食材?かなんかの調達におれいこさんがきてたって言ってたような。

とにかく今回は彼女に呼ばれてきてるから。ただ思うがままに。

プラプラと歩きながらメリケンパークからハーバーランド方面を散歩。メッチャ暑かったけど、ブラブラ。途中モザイク大観覧車乗ってみたり、遊覧船の御座船安宅丸で神戸ベイクルーズ。明石大橋見たり、彼女も子供連れて、一人で?乗ったのかな、とか思いながら、何十年ぶりの一人旅をしみじみしながら。

↑「モザイク観覧車のほぼ頂上の海側。良い天気でした」
↑「遊覧船からの明石大橋。途中ズームします」

チェリー、あんなに旅行好きだったんだから、いい加減外出ろよ!って連れ出してくれたんかなって。

おれいこさん、私も50年生きてきた。色々あったよ。

そして帰り。もうそういう事信じない人でも、え?ってなる不思議続出。

空港まで送って下さったご主人。けっこう早く行ったのにお茶しながら彼女の暴君伝説を泣き笑いしながら話し込んでたらあっという間に搭乗40分前切ってる!話はつきない。彼女の伝説は1週間あっても語りきれない。爆

で、慌てて荷物検査ゲートへ。
私が見えなくなるまでずっといて、手をふってくださるご主人。まるでおれいこさん、そのものだ。なんかじーんときちゃったな。

で、搭乗。その時何故が展望台が見えたんだけどそこを振り返った私。なんでだろ?って思ったけど。なんとご主人が飛び立つ私の飛行機を撮影してくださっていた。

↑「SAKURA専用機が飛び立ちます!とか、ほんと粋なご主人です。感謝。」

ご主人、ホントまるでおれいこさん。夫婦って一心同体なんだね。すごく感動した。

で。ここからがすごい。

まず満席の機内。ホント満席。それを客室乗務員がバラバラになってる家族とかの席移動とかしてくれてたんだけど、離陸時なぜか。超満員なのに、結果、私の隣が空席。飛行機全体でそこだけ空席。

うそでしょ。
乗ってんのかい!お見送りかい!おれいこさん!笑

↑「おれいこさんお見送り付き?の機内より」

羽田到着して満員のリムジンバスも。
なぜか私の隣だけ空席。

ここにも乗ってんのかい!お見送りかい!爆

で、しまいにゃ。
帰宅後ご主人から驚きの画像が送られてくる。

じつはね。彼女の仏前最初に見たとき、花瓶の水もほぼ無くなってるし、お花は枯れかかってグッタリしてるし、あぁ大変な時だし男性はやっぱそういうの気がつけないんだろうなぁって思ってみてたんだけど、私が水かえたりとか、やりすぎだしなぁって、そのまま見過ごしてたんだけど。

その枯れかけた花たちが。
満開に開いて、しかも生き生きと!写真みてもわかるように水もほぼないのに!

↑「私が見た何時間か前とは別もの!驚」
↑「水ないじゃん!?なのになぜこんなに復活して咲いてるの!驚」

ご主人が、おれいこさんが私が来たことを喜んでくれている証と。

でもね。今回は私、彼女に呼ばれてるから。これは確信。

ここに書いてない事でホント不思議な事まだまだあったんだけど。それは私と彼女の最期の秘密として隠しとく。笑

銀座時代は本当に私の人生での青春。キツクてドロドロした世界だったけど、おれいこさんや皆に出会えたからこそ、今となっては私のキラキラした青春。ちょっと遅い青春。

おれいこさん。あなたがいたから。
私は今こんなに泣けて、人間なんだなって再認識して、そして、多分あなたのような女友達には出会うことないって確信できる位、大事な人です。

美しく最高で最悪で果てしなく大切な暴君。
私と出会ってくれてありがとう。

ありがとう。

一所懸命書いたよ。おれいこさん。褒めてね。